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イベント

2008.1.24(木) Bank Art 1929 林のり子さんワークショップに参加

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 去る1月24日、横浜Bank ART1929で開催された林のり子さんのワークショップに、馬喰町ART+EAT主宰の武眞理子が参加しました。

 このワークショップは、「食と現代美術 part4 食堂ビル1929」の関連イベントで、「食」をテーマとするさまざまなアーティスト、研究者、文化人が日替わりで登場するシリーズのうちのひとつ。

 この日は、林さんがかねて研究されてきた「ブナ帯文化」と、最近興味をお持ちの「焼畑文化」を中心に、武が素朴な質問を交えながら林さんのお話を伺うというスタイルのトークと、新潟県山北町(さんぽくちょう)で毎年実際に行われている焼畑の映像、参加者全員での試食パーティーの3部構成でした。



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「焼畑」は、日本に稲作が入ってくるはるか以前、縄文の昔から行われていました。
そのシンプルな農法は、自然の摂理に適った驚くほど合理的な循環システムであることが知られています。
東日本の原風景であるブナ林帯に居住した縄文人は、狩猟採集と焼畑を組み合わせて、サスティナブル(持続可能)で豊かな食文化を築いていたと考えられます。

 新潟県山北町では、現在も昔ながらの「焼畑」が「生業」として受け継がれています。
春に木を伐採して山の斜面を整え、真夏に火入れをして下草を焼き払えば、虫が死に灰が肥料となって、蒔いた種をそのまま放っておいてもおいしいカブが育つのです。危険も伴うダイナミックな「焼畑」農法から必然的に生まれる、作業と分配の共同性も注目されています。



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 また、毎年米を連作する稲作では、森林を切り拓いて一度水田にした土地は通常二度と自然に還ることはありませんが、小豆、アワ、ヒエ、キビ、蕎麦、カブや大根など、年ごとに作物を変えて栽培する焼畑農法では、5〜6年後に再び畑を自然に還すのが特徴です。

 前述したように、山北町が興味深いのは「保存会が必死で伝統農法を守っている」というのではなく、焼畑が今も元気な地場産業として成立しているところ。この日は、さんぽく生業の里から林さんのところに届いた名産品の温海カブの漬物の試食もありましたが、参加者全員が「おいしいっ!」を連発。焼畑でなければ出せないといううまみたっぷりの赤カブの風味と歯ごたえに、感激していました。



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 そのほかの試食メニューとして林さんは、ブナ帯(狩猟採集)、焼畑、稲作という3つの食文化が共存する日本の食をシンボリックに表すものとして、東日本の伝統的な餅料理5種と、凍み大根の千切りをたっぷり載せていただく栃餅のお雑煮を用意されました。

 日頃から「食」に興味を持っている方や林さん並びにパテ屋のファンの方をはじめ、たくさんの参加者が熱心に耳を傾け、おいしいお料理を楽しみ、熱のこもった質疑応答を繰り広げた、ほんとうに充実したワークショップでした。

*ワークショップのその他の写真を見るには こちらをクリックしてください。

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